教育方針

令和6年度 学校経営方針
                            第21代校長 曽 我 竜 也

「令和の日本型学校教育」の構築を目指して
                     中央教育審議会(2021)より抜粋

 教師は、子供たちの主体的な学びや、学級やグループの中での協働的な学びを展開することによって、自立した個人の育成に尽力してきた。その一方で、日本の経済発展を支えるために、「みんなと同じことができる」「言われたことを言われたとおりにできる上質で均等な労働者の育成が高度経済成長期まで社会の要請として学校教育に求められてきた中で、「正解(知識)の暗記」の比重が大きくなり、「自ら課題を見つけ、それを解決する力」を育成するため、他者と協働し、自ら考え抜く学びが十分なされていないのではないかという指摘もある。
 また、学校では「みんなで同じことを同じように」を過度に要求する面が見られ、学校生活においても「同調圧力」を感じる子供が増えていった。
 さらに、コロナ禍による学校の臨時休業中、子供たちは、学校や教師から指示・発信がないと「何をして良いか分からず」学びを止めてしまうという実態が見られたことから、これまでの学校教育では、自立した学習者を十分育てられていなかったのではないかという指摘もある。
 その様な中、教室における子供の多様性は、いよいよ高まっている。
 具体的に見てみると…
 ・発達障害の可能性のある子供
 ・不登校の子供
 ・不登校傾向の子供
 ・経済的に困難を抱える子供
 ・海外にルーツをもつ子供
 ・特定分野に特異な才能をもつ子供 等
 このような子どもたちがうまく学べないのは、子どもの側に問題があるのではなく、カリキュラムや学習環境の側に問題があるのではないだろうか。
 つまり、多様性は困っている子供たちだけの問題ではなく、「特に困っていない」「何とかやれている」とされる子供たちにも多様性は存在する。第二中学校では、生徒個々の「多様性」を生徒個々の「特別ニーズ」と捉え、教師が生徒個々の「特別ニーズ」に応じる(指導の個別化)だけではなく、自らに最適な学びを子供が判断し、ここで学習を調整し、実行できる(学習の個別化)ことが望まれる。
 生徒個々の「特別ニーズ」と「学習の個別化」に対応するためには、これまでの紙ベースでの一斉授業は限界を迎えている。そこで、ICTを有効活用し「個別最適な学び」と「協働的な学び」が一体的に充実できるよう、子どもの特性(特別ニーズ)を重視した学びの「時間」と「空間」の多様化の推進に努め、「令和の日本型学校教育」の構築を目指す。

令和6・7年度 研究テーマ
『特別ニーズ教育に応じた、自ら学習を調整し、進める学びの充実』
~「個別最適な学び」と「協働的な学び」を支援するICTの活用~

 

 

令和5年度 学校経営方針

第21代校長 曽 我 竜 也

《ニューノーマルにおける学習者主体の新たな学び》 ~教育再生実行会議参照~
 新型コロナ感染症は、2023年5月8日付けで、感染症の予防及び感染者の患者に対する法律上の5類感染症に移行しました。新型コロナ感染症は従来の方程式では解が見つからない社会問題にどう取り組んでいくかという大きな課題を提起するとともに、従来認識されながら解決に至らなかった様々な課題もコロナ禍を機に明らかになっています。
 特にこれまで日本の子供たちは幸福度・自己肯定感や当事者意識が低いと指摘されてきましたが、こうした意識を高めていくにはどうすべきか。また、過度な横並び意識を排して如何に一人一人の自立と社会における多様性を高めていくか、想定外の事象と向き合い対応する力や不透明な未来を切り拓く力をどう養成していくかなどもコロナ禍で得た教訓を生かし改めて考えるべき課題です。
 教育再生会議では、こうした課題を解決するためには、ウェルビーイングの理念の実現を目指すことが重要であるとの結論に至りました。この幸せとは、経済的な豊かさだけではなく、精神的な豊かさや健康も含まれ、このような幸せが実現される社会は、多様性と包摂性のある持続可能な社会でもあります。こうした社会を実現していくためには、一人一人が自分の身近なことから他者のことや社会の様々な問題に至るまで関心を寄せ、社会を構成する当事者として、自ら主体的に考え、責任ある行動をとることができるようになることが大切です。こうした個人を育むためには、学校の教育を学習者主体の視点に転換していく必要があります。これからの学校が大切にすべきものは「形」でも「見栄え・出来栄え」でもなく、「子どもの学びや育ち」であるとコロナ禍を通じ気づくことができました。これからの学校は「育てたい子供たちの姿」を明確にし、新しい社会生活「ニューノーマル」を超えて、持続可能な学校の姿「学校ニューノーマル」の構築を目指す必要があると考えます。

【第二中学校の教育目標】  

 中野区教育ビジョン、中野区教育委員会の教育目標、中野区子どもの権利条例の精神に基づき、子どもの権利を保障し、生徒一人ひとりの可能性を伸ばし、将来の変化を予測することが困難な時代に、自らの人生を切り拓き、生涯を生き抜く力を子どもたちに培う。

〔自律、尊重、創造、挑戦〕
 ◇自ら考え、判断し、行動する生徒の育成
 ◇違いを理解し、他者を尊重する生徒の育成
 ◇豊かな発想をもち、創意工夫する生徒の育成
 ◇変革し、チャレンジをし続ける生徒の育成

〔目指す学校像〕
 信頼と誇りに基づいた、活力と落ち着きのある学校
 ◇教師、生徒、保護者、地域が誇れる学校
 ◇区民に信頼される学校
 ◇区民と共にある学校

〔目指す教職員像〕
 授業力・指導力、情熱・使命感、実行力のある教員
 専門性が高く、迅速に行動する職員
  ◇生徒の笑顔を第一に考える
  ◇いつでも“笑顔”を忘れない
  ◇感謝の気持ちを常にもつ
  ◇常に改善・向上を目指す
  ◇法令を順守し、正直で誠実な行動をする

〔目指す生徒像〕
 『他者の気持ちを”慮る”ことのできる生徒』
  ・真実を隠す努力より、真実を語る勇気をもった生徒
  ・避ける努力より、ぶつかる勇気をもった生徒
  ・強き者に好かれる努力より、弱き者に手を差し伸べる勇気をもった生徒
  ・言い訳を探す努力より、素直に謝る勇気をもった生徒
  ・耐える努力より、吐き出す勇気をもった生徒

《令和5年度重点目標》

【知(確かな学力】
◆GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール対応
〔授業改善〕
◆学習評価の改善
〔「妥当性」、「信頼性」のある評価〕

【徳(豊かな人間性】
 ◆学校生活の改善
 〔生徒を主体とした校則等の見直し〕
 ◆道徳教育の推進
 〔考える道徳・議論する道徳〕

【体(健康・体力)】
 ◆生涯を通じて心身ともに健康な生活を送るために必要な資質・能力の育成

【いじめに対する組織的対応の強化】
 ◆未然防止に向けた道徳体験活動の推進
 ◆一人一人に寄り添ったきめ細かな指導

【不登校に対する組織的対応の強化】
 ◆不登校が生じない魅力ある学校・学年・学級作りの推進

【特別支援教育の推進】
 ◆インクルーシブ教育の推進

【保幼小中連携】
 ◆校区内の保育園・幼稚園、本郷小、中野第一小と連携し、児童生徒の学力向上について  取り組み、学力を向上させ  る